最速のZ80:256個のZ80で構成された1GHzマシン

route127曰く、

FPGA上で実現した16コアのZ80をポータブルPCとしてまとめた「ZedRipper」なるデバイスを作った人がその詳細をブログにまとめているが、これに関連して256ノードの並列Z80マシンであるZMOBが話題となっている

このデバイスは、占領期日本の図書を蒐集したプランゲ文庫で知られる米国東部のメリーランド大学で、1980年代に人工知能研究向けマシンとしてチャック・リーガー博士らによって計画されていたもの。ZMOBの開発動機として、当時のVAXマシン上での記号処理や論理プログラミング環境を改善するための方策のひとつであったようだ(LISPマシンの製造で知られるSymbolics社の設立は1981年)。国際人工知能会議(IJCAI)には1981年の晩秋に256ノードのマシンとして完成する旨が宣言されている。

恐らくこれをソースとして、「NASA補助金(NSG-7253)の一環として製作された256ノードのZ80Aクラスタで1GHzを発揮する」(クロック4MHz×256ノードという計算なのだろうか)という話になったようだ。

ただ、補助金の関係で空軍の防衛技術情報センター(DTIC:Defense Technical Information Center)が公開しているレポートのマイクロフィルムを調べてみると、1984年6月段階で16ノードのZMOBを部分運用であるとか、1985年3月末時点で32ノードという状態のようなので果たして256ノードのマシンとして完成したのか疑問はある。

1979年から2006年までのメリーランド大学における計算機科学の研究と教育を論じたツェルコヴィッツ報告第2版では128ノードのZMOBが完成したことになっているが、そこでも信頼性に問題があったことが述べられている。

ただしその記述は空軍のレポート程には並列コンピューティングに対する原理的な困難さに触れられてはいない。

sradおじさんの中にもこうした80年代の並列コンピューティングに関わった人や、あるいは現在進行形でFPGAにZ80コア詰め込んでます、みたいな人がいたら(いそう)語って欲しいところである。

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