旭川医大とNTT東のシステム開発失敗を巡る裁判、仕様変更を繰り返した医大の全面敗訴に

あるAnonymous Coward 曰く、

NTT東日本が受注していた旭川医科大学病院の電子カルテ・情報管理システムの納入遅延を受けて両者が争っていた裁判で、札幌高裁が8月31日、旭川医科大学に対しNTT東日本に約14億1500万円を支払うよう命じる判決を出した(毎日新聞)。この裁判では昨年3月、旭川地裁が旭川医大からNTT東に約3億8300万円、NTT東から旭川医大に約3億6500万円を支払うという内容の賠償命令が出ていたが(産経新聞)、それが覆されたものとなる。

背景については日経ITproの記事が詳しいが、追加の仕様変更を繰り返した旭川医大側に100%の責任があるとして、医大側の全面敗訴となる判決になったようだ。

この病院情報管理システムは2008年8月に入札が実施されNTT東が落札したもの。当初は日本IBMと共同開発したパッケージをカスタマイズして導入するという計画だったが、2009年3月に医大側は現行システムの機能全てが必要と主張して625項目の追加開発を要請したという。2009年9月にリリースの2010年1月への延期と仕様凍結で両社が合意したが、その後も旭川医大側は171項目の追加要望を出したという。

最終的に本番システムの稼働予定である2010年1月にはシステムの引き渡しを行えず、2010年4月に旭川医大は契約解除を通告。その後、NTT東は約22億8000万円の損害賠償を求めて旭川医大を提訴。また、旭川医大はNTT東に対し逸失利益などの損害賠償約19億4000万円を求めて提訴する事態となっていた。

裁判では、一審、控訴審ともに旭川医大側に義務違反があると認定。いっぽう、NTT東については一審では追加要望で開発が遅延すると予測できる場合に拒絶などの適切な対応を行うべきだったとしてマネジメント義務違反があるとしていたが、控訴審ではNTT東が追加要望を受け入れれば開発に遅延が生じてシステム稼働予定に間に合わなくなると繰り返し説明していたことや、仕様凍結合意を行っていたことからマネジメント義務には違反していないと認定した。

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